本日休演　岩出拓十郎より

コアントローズは河村と仲間たちでなりたっている。

河村というのはこのバンドのソングライターで音楽的なリーダー。
河村の曲は、

彼しか作れないようなプログレッシブポップなメロディとコード進行をもち、
お花畑に一本立つ枯れ木のようにねじ曲がっているが、強力な幹がある。
結局は普遍的ポップスなのがいい。

そこらのひねくれポップバンドなんかとは比べものにならない曲を作る。
このバンドはそういう名曲たちを、彼と彼を支えているファミリーが演奏している。

ところで、誰しも思うことだろうが、日々の生活は壊れそうな
ギリギリのバランスで成り立っていたりする。人間関係とか。

一般的な話でもあるが、バンドはその些細なバランスをバンドメンバー一人一人が
請け負って支えることで成立している。楽なように聴こえても、
演奏と音楽は常に崩壊寸前の危機というものを孕んでいる。

このバンドで演奏を手伝わせてもらったが、メンバーみんなが危うさを
請け負いながら旋律を支えていく緊張感と同時に、
河村の普遍的なメロディ（その大きな存在感）に守られているのを感じた。
そんなキリスト教徒的な感覚と
演奏を魂でやりきるロックな感覚をあわせもっている
そんなバンドだと思った。